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新田祐克先生大好き。 BL/腐女子になります。 カテゴリーに分けて掲載をしていきますので、今日のblog(つらつらblog)には、BL/腐女子のつぶやきになります。 他カテゴリーはSSになりますので宜しくお願いします。新田祐克先生の代表作品『春を抱いていた』のSS中心になりますが、たまに他の作品や作者のがあるかもしれません。 ご理解ある方々、宜しくお願い申しあげます。

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春抱き☆あなたに花束を

撮影を終え、控え室を後に廊下を歩いていると、以前ドラマで共演した子役の風音(ふうね)がマネージャーと共に歩いてくるのが見えた。

岩城が声をかけるまえに、風音がマネージャーに話しかけ、岩城の方へ歩いてきて


「おはようございます。岩城さん。」


風音が、両手を膝につけ深く頭を下げる。
サラサラと流れる黒髪、肩から可愛らしい鞄をかけ、片手にはピンクのカーネーションで溢れたバスケットを持っていた。
岩城は、風音の視線に合わせるように、しゃがみ


「おはようございます。風音ちゃん。これから、お仕事かな?」


「はい。岩城さんは、お仕事終わりですか?」


「そうだよ。今日は終わり。」


岩城が微笑むと


「お疲れさまでした。この前のドラマではお世話になりました。また、一緒にお仕事できたら嬉しいです。岩城さん、お花をどうぞ。」


風音はバスケットからカーネーションを1輪とり、岩城に差し出した。


「僕に?もらっていいのかな?」


「岩城さんに、もらってほしいです。」


にっこりと笑い、小さな手にカーネーションを持ち、岩城へと腕を伸ばす。
岩城は風音からカーネーションを受け取り


「ありがとう。うれしいよ。また、一緒にお仕事できるのを楽しみにしているよ。」


風音の頭を軽く撫でると


「今日はね。大切な人にお花を贈る日なの。いーっぱい用意したけど、誰も…もらってくれなかったら、どうしようかと思ったけど、1番にカッコイイ岩城さんにわたせて、うれしいな。」


嬉しそうに言いきった風音は頬を赤くし、言っちゃったぁと、きゃぁきゃぁとはしゃぎ両手を頬に当て首をふる。
愛くるしい風音の姿に岩城は目を細め。


「かわいい風音ちゃんに、カッコイイと言ってもらえて、うれしいな。たくさん、大切な人にお花わたせるといいね。大事にするね。ありがとう。」


もう1度、風音の頭を撫で立ち上がり


「じゃぁ、がんばってね。」


「はい。ありがとうございます。」


手をふる岩城に風音は頭を下げ、マネージャーにうながされ現場へむかっていった。
車に乗り、助手席の鞄の上にカーネーションを置く。


「大切な人に花を贈る日か。」


振動で揺れるカーネーションを横目で見て


「花屋に寄るか…。」


車の進行方向を自宅から花屋に変えた。
店に入ると、Mother's Dayと真っ赤なディスプレイの元に、色とりどりのカーネーションや薔薇、アレジメントフラワーが並んでいた。


「そうか…母の日だったのか。だから、風音ちゃんカーネーションを…。あれ、でも…たしか…。」


岩城は頭に浮かんだことを消し花を選び始めた。




花束を抱えリビングに入り、キッチンで慌ただしくしている香藤に


「ただいま。」


「おかえりなさい。岩城さん。夕飯できたところだよ。」


振り返った香藤に花束を差し出す。


「綺麗な花束だ。ありがとう。」


黙って差し出した岩城から花束を受けとると、花瓶を用意してリビングのローテーブルに飾り、食卓に戻ると帰宅した時の鞄を手にしたまま立っている岩城に


「どうしたの?」


聞いても、どこかぼんやりとしている岩城の手から鞄を取ると、ピンクのカーネーションが顔を覗かせていた。
鞄を置き、岩城を座らせ食事を並べ、お茶を煎れて岩城の前に置きながら


「岩城さん、お疲れさま。花束のプレゼントありがとう。明日、早いんだよね?」


岩城の額にキスをする。


「今日は…」


「ん?」


「今日は、大切な人に花を贈る日だそうだ。」


ポツリと話はじめた岩城に安心して香藤も席に着く。

「そうなんだ。俺のために花を選んでくれたんだね。ありがとう。」


ゆっくりと箸を取り食事を始めた岩城。しばらくして


「今日、スタジオで風音ちゃんに会ってカーネーションを貰って、今日は大切な人に花を贈る日と教えられたんだ。香藤へと思って花屋にむかったら母の日のディスプレイがしてあって…」


ポツリポツリと話す岩城を優しく見守りながら


「あぁ…。前のドラマで共演していたよね。まだ小学生になったばかりなのに、礼儀ただしくて、可愛い子だね。風音ちゃん。」


「たしか…風音ちゃんのお母さん。」


そこで、岩城の箸が止まる。


「うん。そうだったね。一昨年か…。」


香藤も箸をとめて、一昨年のことを思い出す。
アイドルから女優に転身した彼女は愛くるしい笑顔だけでなく、存在するだけで、殺伐とした現場に安らぎをあたえてくれる不思議な力を持っていた。
母に憧れていた風音にも、早くから仕事が舞い込むようになり、女優の仕事の傍ら優しい母として、厳しい同業者として風音に付き添っていた。
そんな彼女が突然たおれ、半年後に…この世を去った。
葬儀に参列した岩城達が目にしたのは、父親の足にしがみつき、涙を流しながらも参列者一人一人に深く頭を下げ続けた風音の姿だった。


「5才か…小さな時に母親を亡くして、立派に母親を見送って。想像したら俺には、とうていできないよ。あんな風に静かに泣いて、母のために来てくれた人へ感謝し続けるなんて、、、。いまでも辛いだろうに、いつも笑顔で、傍にいるだけで和むところなんてお母さんにそっくりだな。」


「俺も…無理だろうな。きっと泣きわめいて式を、混乱させていたかも。」


香藤がそう言い湯飲みを手に取る。


「お母さんの教育の賜物かな?」


岩城が言うと


「そうだろうね。きっと最後まで、お母さんから、いろんなことを学んだんだろうね。」

頷く香藤に、岩城は鞄から覗かせているカーネーションを取りだし


「風音ちゃんにとって今日は大切なお母さんを思う日で、いまある自分を支えてくれる人への感謝の日なのかな?だから大切な人に花を贈る日って教えてくれたのかもしれない。」


香藤にも見てほしくて差し出す。


「優しい子だから、そうかもね?おっ、これ手作りだったんだ。へぇ。ピンクの花紙に緑の紙テープ、ちゃんと葉っぱまである。手がこんでるなぁ。すごいな。」


「カーネーションをバスケットにいっぱい持っていたんだ。感謝の気持ちを、たくさん詰めこんだ花と可愛い笑顔。」


廊下で風音にカーネーションを渡された時を思い返すと、笑みがこぼれる。


「可愛かったでしょ?」


「あぁ可愛かった。このまま…真っ直ぐな心のまま大きくなってほしいんだが…。」


不安がよぎり表情を暗くする岩城。
業界には大人でも目をそむけたくなるような、子供が知るべきではない、いや知らないほうがいい闇がたくさんある。
洋介を預かるようになってから、なおさら業界で心を守っていく大切さを実感し、その子自身が持つ心を壊さず成長するように、何ができるかを考えるようになった。


「そこは大丈夫だと思うよ。」


岩城にカーネーションを渡しながら


「お母さんが、ちゃーんと、風音ちゃんに残していっているから。そうじゃなきゃ…こんな風に人に感謝することできないと俺は思うな。」


カーネーションを受けとった岩城は、香藤の言葉に母親の姿は無くても、母親の心を受け継いでいる風音は、これからも変わらずキラキラ輝く心のまま成長していくと言われたように感じた。


「そうだな。風音ちゃんなら大丈夫だな。きっと、可愛らしい女優になるんだろうな。」


「そっ、美人なんだけど可愛らしくて手放せない女優さんにね。岩城さん浮気しないでよ。」


頬を膨らませる香藤に


「子供に嫉妬するな。その頃には俺は初老だぞ。まぁ、今日…カッコイイとは言われたが…。」


カーネーションを渡された時に、風音ちゃんには言えなかったが、心の中では、こんなオジサンにと思っていた。


「子供でも、わかるくらい岩城さんは、見た目も中身もカッコイイんだよ。うーん。やっぱり、伴侶が褒められると嬉しいなぁ。」


香藤は嬉しそうに頷きながら腕組みをし


「カッコイイ岩城さんの体と心を、さらにケアできるようにするね。」


「は?」


香藤の発言に目を丸くする岩城。
いまですら、独学で食事や生活スタイルを管理している香藤が、本格的に何かしら資格を取りそうな勢いに


「おい。。。香藤も忙しいだろうが…」


「ん~。岩城さんのためって思えば苦にならないし。俺自身のためにもなるから、一石二鳥ってとこかな?二人で、カッコイイ初老になって見守ろうよ。」


軽くウィンクをする香藤に岩城は、そうだな。と笑った。




いまは、手探りの君たちへ
夢に未来に希望にみちあふれ歩き始めたばかりの君たちへ
何度つまづいても、迷っても、下をむかず自分で選んだ道を歩いていこう。
どうしても迷子になったら、自分が信じた人を頼って、立ち止まって悩んで考えて、自分の歩み続ける道を、もう1度…一歩ずつ歩きだそう。
そして、いつか…
あの頃は、こんなことに負けそうになったよ。でも、あの時の一言があったから。あの時、つまづいたから。今の自分が好きだ。と笑いながら話してくれる君たちに、優しく耳を傾けるている自分達がいますように。





+++++++++++++++++++++++
お久しぶりのお話です。
いつも以上に、まとまりがなくて申し訳ありません。
今回のは、翔くん・洋介くん視点で春抱きを読むことが多く、自分なら…二人をどんな風に見たかとか…。
岩城さん、香藤くんは、子供が育つというのを、どう感じたているのかなと考えたり。
母の日のカーネーションの花を見て、おりまぜて書きはじめました。
ちょっと…個人的な主観も入ってしまい、お二人の世界観が壊れているような気がします。
ごめんなさい。




カーネーションの色、たくさんありますよねぇ。
普段は、あまり気にしないのですが、ブルーや紫色、黄色。科学的にレインボーになっていたり、見ていて楽しかった。
どの色を、お話の中に使うか悩みましたが、花言葉から選びました。
花言葉は掲載されている本やサイトに違いがありますが、個人的に気に入ったのが


カーネーションのピンク
花言葉…感謝。上品・気品。暖かい心。美しい仕草。
さらに、西洋での花言葉ですが、あなたを決して忘れません。女性の愛。母の愛。
これらの花言葉から、ピンクのカーネーションを選びました。
美しい仕草。あなたを決して忘れません。って、いい花言葉だなぁと思いました。
岩城さんに似合う。
美しい仕草。
そして、あなたを決して忘れません。生活の中で、ふとした時に、二人を思ったりする春抱きファンにぴったりだと思いました。

今回みたいに、これからもときどきお話を載せることができたらいいなと思っています。
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  1. 2017/05/31(水) 13:06:52|
  2. 春を抱いていた
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春抱き★花より愛しき人の言葉…3 完

朝から白い泡に深紅の薔薇の浮かぶ優雅なバスタイムを満喫し、朝食をすませソファーに座りコーヒーを飲む二人。
岩城の隣に座る香藤のタレ目がさらにタレ下がっている。


『おい!香藤。』


『なぁ~に?岩城さん。』
幸せで、とろけそうな笑顔の香藤。


『そのしまりのない顔なんとかしろ!!』


『そんなの無理だよ。だって岩城さんからのこーゆープレゼント貰えるなんて予想もつかなかったもん。』カップを置いて岩城に抱きつき頬にキスをし、ありがとうと囁く。


『だって、俺からペア物を贈ることあっても、岩城さんからペア物をもらえるなんて…。本当にびっくりしたし幸せなんだもん。』


風呂上がりにタオルで体を拭かれたあと香藤がバスローブを出そうとした時に、新しいパジャマを買ったから今夜から使うといいと岩城が言うと、いま着ると言い出しパジャマを取りだし香藤が目を輝かせ岩城の分も取りだし着ることになり、そのまま朝食をとり今にいたる。

指をからませて岩城の肩口に香藤が顔を預ける。
岩城が着ている淡いパープルストライプ半袖パジャマと色違いの淡いブルーストライプの半袖パジャマを着て嬉しそうな香藤。


『たまたま…。たまたま…お前のサイズがあったから買っただけだ。』
頬を赤く染めた岩城は、ふいっと顔をそらす。


『たまたま…ね。でも、俺に着てほしいと思ったから買ってくれたんだよね。ありがとう。』


『暑かったら…上着なしで使えよ。』

初夏になるとズボンだけで眠る習慣の香藤を気遣い岩城が言うと


『うーん。長年の習慣からすると確かにそーだけど、このパジャマを着るときは、ちゃんと上着もきるよ。岩城さんからの愛がこもってるから!こんな風にお揃いのパジャマで朝をゆっくりと過ごすのもいいね。』


『そうだな…。』
岩城はカップをテーブルに置き
『それより今日は、どうするんだ?どこか出かけるか?』
香藤に予定を聞くと


『うん?それはもちろん。』
キラキラと目を輝かせた香藤は岩城を抱き上げ、岩城に有無もいわせず寝室のドアをあけ、岩城をベッドへ降ろし


『今日の予定は、岩城さんの吐息ごと愛の言葉を愛すことです。』


にっこりと微笑み、岩城の額にキスをして、パジャマのボタンに手を伸ばす。


『吐息ごとって…』
このさきの出来事が頭をよぎり真っ赤になりあわてふためく岩城。恥じらう岩城の身体に香藤は顔をうずめてゆく。
しだいに甘くなってゆく吐息…香藤の愛の熱にうかされ岩城の紅い唇から愛しているの言葉が繰り返される。
そのたびに香藤の心は歓喜にふるえる。



岩城がこの世に生まれ、めぐりあえたことが何にもかえがたい最高のプレゼント。




++++++++++++
香藤くんお誕生日おめでとうございます。
今回、岩城さんからの誕生日プレゼント渡すタイミングを悩みました。男性は、いつ頃から半袖パジャマ着るんだろう?6月は早すぎたかしら?我が家は通年…長袖なので感覚がわからないのです。
しかし…男性用パジャマは柄が少ない!!
ストライプかチェック、水玉。
たまに、小さな犬が印刷されているのもあるけど、この二人に、こーゆーのは違いますよね。
やっぱりシルクの無地がベストなのかなぁ…。

香藤くんお肌の保湿のためパジャマの上を、夏でもちゃんと着て眠ろうね~。
  1. 2016/07/22(金) 14:24:33|
  2. 春を抱いていた
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春抱き★花より愛しき人の言葉…2

いくどかの口づけをかわし、みつめあい微笑みあう二人。


『岩城さん、もう少し寝る?』


『すっかり目がさめたからいいや。』


テーブルに置いたミネラルウォーターを飲み


『香藤はどうする?こんなところで寝てたから疲れがとれていないだろう?』


『そーでもないなぁ。熟睡して、すっきり!!体かるいよ。あ、風呂はいってないや。ね、用意するから一緒に入ろう。』


ウィンクしながらソファーを降りて、香藤は床にある花束をとりリビングを後にした。


『風呂の準備に花束持っていって…なにするんだ。』岩城の頭には、過去に香藤が用意した薔薇風呂が浮かんだ。
『まぁ、香藤の誕生日だし付き合うか。』


しばらくすると風呂の準備ができたと駆け寄ってきた香藤は岩城の手をとり浴室にむかった。
ドアを開けると、浅めに湯をはったバスタブに、紅い薔薇を彩るように鮮やかな花びらが浮かんでいた。
予想どうりのバスタブを目にしつつ、香藤の体を流しバスタブにうながすと


『岩城さんと一緒に入るの。』
と香藤に全身を洗われ、花が浮かぶバスタブに浸かる。時おり触れる香藤の指先、花びらをくすぐったく思いながらも、こんな風呂も悪くないと思い香藤に体をあずけていると


『岩城さん、ちょっとごめんね。』
香藤はバスタブをでた


『どうした?湯中りしたか?』
岩城が心配して聞くと


『違うよ。』


シャワーヘッドを取り、温度を確認すると


『岩城さん、目に入らないように気をつけてね。』
あぁと岩城が返事をすると、シャワーヘッドをバスタブにむけた。シャワーを当てたところから泡がたちはじめ柔らかい石鹸の匂いがたちはじめた。


『は?どうなっているんだ?』

いま浸かっている湯にシャワージェルなどのぬめりはない。


『ふふ。花びらが石鹸でできているんだよ。岩城さん花びらをこっちおしよせて。』
言われるままに手を動かし花びらをシャワーのほうへ押しやる。
あっという間に花びらは消え泡ぶろに変わり白い泡の上には紅い薔薇だけが残った。
岩城は白い泡に浮かぶ紅い薔薇を両手で包むようにすくいあげ顔を近づけた。


『うーん。すっごい綺麗。』
浴室をでた香藤はスマホ片手にもどり、素早く撮影しスマホをおきにいき、岩城を抱き抱えるように浴槽に入りなおした。


呆然としている岩城に
『びっくりした?』
覗きこみながら聞くと


『てっきりすべて生花だと思っていたから…。』


『でしょ?俺ももらったときは花だと思っていたんだけどね。生花だとすぐに枯れちゃうから…これなら綺麗な花を長く楽しめるからって、共演女優さんがプレゼントしてくれたんだ。』
変わった花束が共演女優からのプレゼントというところに岩城の気がさわったらしく、やや頬がこわばるのを感じた。


『あっ、ヤキモチ?ダメだよ~美人だいなし。それに、これ俺へのプレゼントじゃないんだ~。』


『お前の誕生日なのにか?』


『だって、その女優…岩城さんの隠れファンだもん。岩城さんが花すきなの知っていて、この石鹸の花束たくさん持って、俺の誕生日にかこつけて押しつけて、岩城さんの目にとめてもらいたかったんだよ。』


『お礼…いったほうがいいのかな?』


『うーん。どうかなぁ~。周りに岩城さんのファンって隠してるプライド高い人だからなぁ~。』


『じゃぁ、香藤の誕生日を祝ってくれてありがとうくらいなら問題ないかな?で、誰だ?』
ふりむく岩城の耳元に香藤が小さな声で答える。名前を聞いた岩城は目を大きくひらき、やや青ざめた
『……………うそだろ……。』
岩城より歳上の美人女優[この人には体温や血が流れているのかと疑問をもつほどの]まるで精巧に造られた人形のような、美しくかつ冷たい顔が浮かぶ。そして、仕事にも厳しく出来ないと誰かれかまわず冷酷な指摘がとぶ。それが間違っていないから監督・プロデューサーすら文句がいえないので有名な女優。


『岩城さんのこと…本当によく評価しているよ。機会があれば共演したいわ~って。あれ…岩城さん?』


『持宗監督の次に、精神的にきそうだな。』
たしかに…共演は俳優として成長の糧となるため大変魅力的ではあるが、いまは持宗監督と翔でいっぱいいっぱいだ。


『まっ、そうなったときは俺が全力でサポートします。』
岩城を抱きかかえる腕に力をいれる。


『その時は頼むよ。専属トレーナー。』


『了解』
ウィンクする香藤に岩城は、クスリと笑い香藤にキスをした。








  1. 2016/07/08(金) 14:41:49|
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春抱き★花より愛しき人の言葉

『ん…。』


喉の乾きを感じ目を覚まし、むかいのベッドを見るが主は不在。


『まだ…終わらないのか。』


サイドテーブルの時計へ目をやると午前4時をまわっている。
昨日は、香藤のドラマ撮影の最終日。打ち上げもあるだろうから遅くなるから先に休んでねと電話はあったが…。


『何時に帰ってくるんだか…。』


ベッドを降りて階下へむかいリビングのドアをあけると、ソファーに大きな身体を伸ばし熟睡している香藤。
床には香藤の鞄と共に、鮮やかなプレゼントに花束の山。
歩みより気持ちよさそうに眠っている香藤の髪をなで、岩城は、ふぅ~とため息をつき。


『香藤。付き合いがいいのもほどほどにしないと、体こわすぞ。』


そう囁きキッチンへとむかい、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、リビングのテーブルに置くと、眠っている香藤の肩に手をかけ


『香藤、香藤、起きろ。』


ゆっくりと肩をゆらす。


『んぅ…?』


『香藤。風邪ひくぞ。』


香藤の頬を軽くたたく。
ゆっくりと開かれぼんやりとしていた瞳が、だんだんと焦点がさだまり


『岩…城さ…ん?』
声は掠れていた。
慌てて体を起こした香藤は、っ…と小さくうめきこめかみを押さえた。


『あぁ~、飲み過ぎか?』


岩城はペットボトルの蓋を開けると香藤に渡し、自分も香藤の隣に座り喉を潤す。
香藤は、ゴクゴクとミネラルウォーターを半分ほど飲みテーブルに置くと


『ぷはー。あぁ~、生き返った。』


どっしりとソファーにもたれる。
その姿をみていた岩城はクスクスと笑い


『なんだ?昨日は、そんなにキツかったか?』


『んー。そうじゃないんだけどさぁ。ドラマの打ち上げだけかと思ってたんだけど今日の分もってなって…にぎやかになっちゃってさ。家ついたら安心して、ここで寝ちゃってた。』


『それが、アレか?』


床に積まれた山を岩城が指差す。


『うん。嬉しかったんだけど、本音を言うと早く帰れたほうが嬉しかったんだけどなぁ~。』


岩城の肩に額をつける。岩城は香藤の頭を撫でながら

『それだけ、お前がみんなに好かれているってことなんだから感謝しろ。なっ。』


『うん。わかってる。でも…やっぱり少しでも早く岩城さんに会いたかったんだ。』


ぎゅっと岩城を抱きしめる。岩城は香藤の背中に腕をまわし、存在を確認するように香藤の体をなで


『香藤。誕生日おめでとう。生まれてきてくれたこと、俺をみつけて愛してくれてありがとう。』


香藤の肩に顔をうずめ愛しい人へ祝いの言葉をつげる。


『ありがとう。岩城さん。やっぱり岩城さんからの言葉が一番心に響くな。』


幸せそうに香藤は微笑み、岩城の頬を両手でつつみ、愛してると紅い唇に重ねる。何度も何度も…
  1. 2016/06/16(木) 22:05:17|
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春抱き★退院日

こちらのSSは、原作の岩城さんが退院日に香藤くんが1日側にいれず現場に戻ったところを勝手に妄想したものとなります。
気がむいたら続きをどうぞ~。
++++++++++++




岩城を抱きかかえ、まどろんでいた香藤はスマホのアラームを止めて、腕の中にいる岩城を起こさないようにベッドから降りた。
岩城が起きた時ようにガウンを用意し、眠っている岩城の髪をなでながら


『今日ぐらい…このまま一緒に過ごしたいんだけど。ごめんね、岩城さん。寂しい思いさせるかもしれないけど仕事に戻るね。毎日連絡するからね。』


岩城の唇にキスをすると寝室を後にした。
玄関をあけると清水が立っていた。


『あぁ、清水さん無理いってごめんね。』


『いえ…私が岩城さんに甘えすぎていたのですから、しっかりサポートいたします。』


深々と頭を下げる清水に


『いや、本当に清水さんにはいつも助けてもらって感謝してますから、頭をあげてもらえますか。』


清水の肩に手をかけて香藤がいうと、清水がゆっくり頭をあげた。
香藤は安心し、鞄からファイルをとりだして


『これ話していたファイル。岩城さんの病気のこと調べて、岩城さんの好みふまえて考えたレシピなんだけど使ってもらえるかな?』


『ありがとうございます。助かります。』


清水がファイルを受けとる。


『じゃぁ、宜しくお願いいたします。』


『お仕事頑張ってくださいね。』


互いに頭をさげわかれた。




+++++++++++




『岩城さん…岩城さん…』


遠くから聞こえる優しい女性の声。


『うぅ~ん。』


寝返りをし、枕に顔をうずめる岩城。
小さな笑い声のあと、柔らかな手が肩にかけられ


『岩城さん、起きれますか?』


先ほどより少し大きめな声が聞こえ岩城は、目元をこすり声のするほうを見た。

『こんばんは。岩城さん。やはり御自宅のほうが、ゆっくり休めますね。』


優しく見守るように立っている清水を確認して、岩城は一瞬とまどったが香藤が夕食のころに清水に来てもらうように頼んであると言っていたのを思い出した。

『すみません。清水さん。』


慌てて起き上がろうして、身体がふらつく。清水は岩城の体を支え


『お休みのところ起こして申し訳ありません。夕飯の用意ができましたが、こちらで食べられますか?』


『いえ、もう病院ではありませんから、食卓で食べますよ。』


そう答えた岩城に清水は隣のベッドに畳んで置いてあったガウンを渡した。岩城はガウンを羽織ると、ゆっくり立ち上がり清水の後ろを歩き階段を降りた。
食卓の椅子に座るとフーッと息をはいた。


『まだ、階段は辛いでしょうに…』


清水は温かいお茶と冷たい水と両方用意してくれた。岩城は温かいお茶を飲みながら


『甘えてばかりでは体力つきませんからね。まずは家の中だけでも歩かないと。』


前向きな岩城の発言に安心したように、清水は食事を並べはじめた。


『香藤さんのレシピで作りました。明日の朝とお昼の分は冷蔵庫にありますので温めて食べてくださいね。夕飯は作りにきますので。』


『そんな、忙しいのに…明日からは自分で作りますから。』


『いいえダメです。退院されたばかりですので、責任持って私が作りに伺います。あと岩城さん、掃除とか疲れることもダメですよ。香藤さんから頼まれていますから私がやります。』


『香藤~。清水さんに家政婦のようにアレコレ頼みすぎだ。』


頭をかかえる岩城に


『岩城さん。香藤さんは、岩城さんがゆっくり体力を戻せるように、自分がサポートできず家をあけなくてはいけないのを本当に残念がって現場に戻られました。
私は迷惑と思っていませんので大丈夫ですよ。さっ、冷めますので…。』


清水は岩城に食事をすすめた。岩城は箸をとり味噌汁を口にした。


『いつもの味噌汁より、あっさりしている。』


『香藤さんが、普通食を食べていたとはいえ、病院と自宅では塩分の濃さが違うから少しずつ胃をならすようにとレシピを作られて預かっていますので、明日からも、その通りに作りますね。』


清水は話終えると、お風呂準備してきますね。とキッチンを後にした。
岩城はお椀をテーブルに置き、おかずを口に運ぶ。煮物もあっさりしているが野菜の旨みを感じれる。御飯もふっくらとしつつ噛みごたえがある雑穀米ブレンドになっていた。旬の魚のみぞれあえ。
撮影で忙しいのに、メニューの細かな調整大変だったろうに…香藤の労りに感謝しながら箸をすすめた。
食後のお茶を飲んでいるところへ清水が戻ってきた。

『ほんとうに綺麗すぎて、掃除するところがないくらいですね。まぁ、お食事完食ですね!』


清水は嬉しそうに食器を片付け始めた。


『何から何まで甘えてしまってすみません。でも、これでは病院いるの変わらないような気がします。』


そう岩城が言うと、食器を洗っていた清水は振り返り

『岩城さんの自宅ですることは日常生活ができるようになる体力づくりと、あとは洗濯ですね。これだけは清水さんやらないでねぇ~と香藤さんに言われてしまいましたわ。私は、かまいませんのに。』


そう言うと食器洗いに戻った。
長年の付き合いとはいえ岩城の下着は見られたくないとのことかと気がつき


『じゃぁ、香藤のいうとおり、明日から僕は洗濯をリハビリにしますよ。』


食器を洗い終えた清水は
そうですね。と笑いながら答えた。


『そろそろ浴室あたたまったと思いますわ。久しぶりの自宅のお風呂で疲れをとってゆっくり休んでくださいね。くれぐれも無理なさらないように、何かありましたら、すぐ電話くださいね。では、明日の夕方また伺いますね。』


『ありがとうございました。』


岩城は玄関まで清水を見送った。

風呂からあがったら香藤へメールをしよう。
感謝の言葉を思いつく限りつらねて。
そして伝えきれなかった分は、香藤が帰ってきた時に直接つたえよう。
今あるこの命の奇跡に感謝しながら…。
  1. 2016/02/14(日) 18:18:50|
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