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新田祐克先生大好き。 BL/腐女子になります。 カテゴリーに分けて掲載をしていきますので、今日のblog(つらつらblog)には、BL/腐女子のつぶやきになります。 他カテゴリーはSSになりますので宜しくお願いします。新田祐克先生の代表作品『春を抱いていた』のSS中心になりますが、たまに他の作品や作者のがあるかもしれません。 ご理解ある方々、宜しくお願い申しあげます。

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春抱き★バレンタイン京奏曲

買い物をすませ扉が開いたエレベーターへ乗ろうと視線をあげ、あふれてくる甘い香りと多くの女性を目にし


「次のに乗りますから 」


手をあげエスカレーターへと足をむけた。
エスカレーターの手すり側壁に貼ってあるバレンタインチョコレート催事場の広告を見て


「そうか。さっきの女性達は、これの買い物の帰りか。」


エレベーターが開いた瞬間に、あふれてきた甘い香りを思いだし。やや胸焼けを感じ


「とてもじゃないが…近寄れそうにないな。」


車を走らせ自宅へむかう。玄関を開けると、出掛ける前には無かった香藤の靴が帰宅を知らせる。
それを目にしただけで心が温かくなる。


「ただいま。」


リビングに荷物を持ったまま入りソファーに置くと、キッチンにむかい忙しく手を動かしていた香藤が


「おかえりなさい。岩城さん。いま珈琲いれてもっていくね。あっ、岩城さん手洗い。」


香藤が家にいるのが嬉しくそのままリビングから、香藤を眺めていた岩城に香藤が声をかけた。
岩城が洗面所へむかい手洗いとウガイをすませてリビングに戻ると、テーブルの上に珈琲とパウンドケーキが用意されていた。


「甘い香りは、これか。」


「うん。フルーツパウンドケーキ。明日、現場に持っていこうと思ってね。バレンタイン近いから、どーしてもチョコ関係が多くてさ。」

疲れには酸味とビタミンも必要だよね~と、一口大に切ったパウンドケーキを岩城の口へと運ぶ。


「うん。甘い香りのわりにはサッパリして美味しいな。」


岩城は珈琲を口にし


「そういえば、さっきのデパートでも女性が、たくさんだったなぁ。」


思い出したように言う岩城に


「あっ、バレンタインチョコレート催事場があるからね。岩城さんも行ってきた?」


クスクス笑いながら香藤が言うと


「行くわけないだろ。といか…行く勇気もないな。」

エレベーターが開いた瞬間の甘い香りと女性達を思いだし岩城は、げんなりと答えた。


「そうだよね。食べたいチョコあったら俺かわりに買ってこようか?」


香藤が尋ねると


「いや…。チョコもいいが、俺は、この美味しいケーキがいいよ。」


今夜は一緒に過ごせても明日からバレンタインデー前後は、お互いに仕事で会えないのがわかっている岩城はパウンドケーキを口にし

「悪い。俺…何も用意してなかったな。」


おじけつかずに買いに行けばよかったと後悔しながら言うと


「うん?そんなの気にしなくても。こうやって一緒に過ごせるのが嬉しいよ。」

「そうか。」


岩城に抱きつき甘える香藤の髪を撫でながらも、岩城は、やはり何かプレゼントしたい気分になった。




それからしばらく仕事の合間にスマホでネットショップを見たりするが、どうもこれといったものが見つからず、休憩時間や事務所での仕事の合間に、ついため息がもれる。


「どうかされましたか?社長。」


社長室へお茶を運んでくれていた清水が声をかける。

「あっ、清水さん。ありがとうございます。」


湯飲みを手に取る。


「最近…ため息おおいようですが?」


清水が心配そうに聞くと


「ため息でていましたか、、、。いや、あの…バレンタインのプレゼントですよ。」


「あぁ~。でも、その辺りは社長も香藤さんもお仕事でお忙しいですよね。選んでもらえれば、私が変わりに買ってきましょうか?」

以前もそうしたように提案した清水に


「今年はチョコいがいの、何かないかと思っているんですよ。それがなかなか…。」

はぁ~。と思いつかないと言う岩城に清水は


「そうですよねぇ~。」


相づちをうっていた清水が思い出したように


「社長。いいプレゼントありますよ。」


岩城の側へ行き耳打ちをする。


「えっ。いや、それは…恥ずかしいですよ。そんなの欲しがりませんよ。」


岩城は顔を真っ赤にしてあわてふためく。


「いいえ。香藤さんは、絶対に喜びます。私、自信あります!!手配しておきますから、また予定はお知らせしますね。」


「清水さん。いいですよ、そんな予定は~。」


止めようとする岩城を気にもとめず、清水は楽しそうに社長室を後にした。




その数日後…清水に連れられ、岩城は担当者と軽く打ち合わせをし、清水が用意したプランをこなしていった。
その品は翌日に社長室へと届けられた。
受け取った岩城は困惑しながらも、ロケにでている香藤から頼まれていた着替えなどを詰めた荷物の中へ入れて配送手続きをした。




撮影後、香藤はホテルのフロントで荷物を受け取り、部屋で箱の中を取り出していると、着替えなどの間にクッション封筒が入っていた。


「なんだろう。」


ソファーに座り封筒を開けると、でてきたのは冊子とディスク。
いろとりどりの花でハートに飾られている冊子の表紙をめくると、香藤の服をまとった、いろいろな岩城の姿が次から次に…。
最後のページには花の絨毯に眠る岩城の写真に、岩城の字で『I LOVE YOU』とサインが添えられていた。
冊子を見終えた香藤は思わず鼻を押さえ、しばらく深呼吸をしテーブルのディスクを手にする。


「これには…何が入っているんだろう。」


1枚のディスクには見慣れた曲名が何曲が書かれている。もう1枚は日付しか書かれているだけだった。


「こっちは歌か?もう1枚はなんだろう?とりあえずプレイヤーいるよなぁ。」

同じホテルに滞在している音響スタッフに連絡をとりポータブルプレイヤーを借りて部屋に戻り


「まずは、この日付だけのをっと…」


再生ボタンを押すと、照れながら香藤の服をまとい固い表情でポーズをとる岩城。
スタッフと香藤の服のセンスの話をしながら、衣装をかえていくたびに、徐々に柔らかな表情で撮影が進んでいく。冊子の撮影風景が収録されていた。
ディスクを入れかえ再生すると、岩城の歌声が響く


「マジで!なかなか聴けない岩城さんの歌声が…。かぁー。嬉しいよ。」


思わず香藤は冊子にキスをする。
慌ててスマホを手にして岩城に電話をしようとして、とっくに日付がすぎている時間をみて手をとめた。
心臓疾患がみつかってから、規則正しい生活をおくるように口うるさく言っているぶん自分がリズムを崩すようなことをしてはいけないと思いLINEに切り替えて『素敵なバレンタインをありがとう♪俺も愛してる♪』
メッセージを送りスマホを枕元に置いて、ソファーに座りなおし、岩城の歌声が流れるなか、あらためて冊子をめくる。


「うーん。選曲も、この写真も最高♪」


岩城では思いつかないであろう、このプレゼントの計画者が誰かわかっている香藤は、清水さんにお土産はずまないとな。と呟き、愛する岩城を歌声につつまれ幸せにひたっていた。




+++++++++++++++++++++++
このところ…Twitterで、童〇を§すセーターの話題で盛り上がっていまして、いろいろな方のイラストを見かけたりしていたんです。お友達が、「童〇を§すセーターを岩城さんに着せるなら白肌はえる黒だな。」と呟いているのに…「香藤くんのお洋服を整理していて自分で買わないデザインを思わず着てしまうのを見つかるのも面白いかも?」と返したのがきっかけで産まれた?突発的なお話です。
どんなお洋服+曲目をセレクトしたかは、読まれた方の想像におまかせいたします。
曲目は甘い愛の歌ばかりでしょうねぇ~。
収録にあたり、プライベートなこととはいえ、何処へも漏れないように情報管理が完璧な環境で撮影と収録を準備したのは公私ともに敏腕マネージャーの清水さん。
岩城さんからの謝礼は受け取られなかったそうです。「1日、岩城さんに付き添えて眼福でしたから~」と微笑まれ、しかしながら岩城さんは「眼福」の意味がわからず香藤くんが帰宅するまで疑問をかかえていた岩城さんでした。
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  1. 2017/02/03(金) 22:19:25|
  2. 春抱き★St.Valentine′s Day
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春抱き★telpathically…⑤ 完

撮影を終えてホテルへ戻りシャワーを浴び、ガウン姿でビールを片手にソファーにもたれる。


『あぁ~うまくいってよかった。昨日の落ち込んだ俺のままじゃ迷惑かけていたよなぁ。これもすべて岩城さんのおかげ。』


ビールを飲みながら


『あっ、アレなんだったんだろう?』


昼に新幹線でランチバッグに戻したピンクでラッピングされた包みを取り出し、リボンをほどき包みを開きあらわれた箱をみて香藤は驚いた。


『これ…うわっ。偶然にしてもすごすぎ。岩城さんに電話!!電話!!』


ビールと箱をテーブルに置きスマホを取り出した。
数回のコールののち


『香藤。おつかれさま』


優しい岩城の声が聞こえる。


『岩城さん。サンドイッチとコーヒー美味しかったよ。おかげで初日の撮影ノーミスだったよありがとうね 。』


香藤は岩城の手作りに心が癒された感謝の言葉をつげる。


『そうか。口にあって良かったよ。俺こそプレゼントありがとう。さっそくカーディガンを着ているよ。』

『うん。着てくれてありがとう。春になりつつあるとはいえ、まだまだ冷え込むから暖かくしてもらわないとね。』


『あぁ、暖かくて手触りもよくて気に入ったよ。それと…』


言いかけた言葉をのみこみクスクスと笑う岩城。


『俺達、誰にも負けない愛で繋がっているんだね。』

と、香藤が言うと


(岩城)『同じチョコレートをプレゼントするなんてな。』
(香藤)『同じチョコレートをプレゼントするなんてね。』


同時に発して爆笑する。


『ねぇ~俺、岩城さんがアノ売場にいるのが想像つかないんだけど?』


笑って目尻に浮かんだ涙を指先で拭いながら香藤が聞くと


『清水さんが自分用チョコレートを買いにいくってカタログを見ていてな。見せてもらったら香藤のイメージにピッタリだなと思って一緒に買ってきてもらったんだ。ラッピングまで清水さんがしてくれて、今度なにかお礼しないとな。』


『そうだったんだね。じゃあさ、清水さんにホワイトデープレゼント選ぼうね。ねっ、聞いてもいい?俺のイメージと思った、このチョコレートみたとき、岩城さんはどんなこと感じたの?』


チョコを見ながら香藤が聞くと


『そのチョコレートをみて、いろんな壁にぶつかりながらも乗り越えていく姿、淡い水色が疲れた自分を洗い流してくれる香藤を思ったんだ。』


岩城が答えると


『そっか~。なんか嬉しいな!俺、ちゃんと岩城さんの力になってるんだね。俺も岩城さんの存在を同じように思ってる。岩城さんじゃなきゃ、俺を癒せないんだから、だから無理だけはしないでね。』


岩城の明日からの仕事は鬼の持宗監督の作品だ。離れている分、心配がつきない。


『うん。ありがとう。香藤も忙しいだろうが、心が折れそうになったら…連絡するから俺を癒してくれるか?』


『もちろん!時間があうかぎり何時でも付き合うよ。一人でかかえこまないで連絡してね。愛しているよ岩城さん。』


チュッと受話器ごしにキス送る。
電話ごしなのに、まるで本当に香藤の腕の中でキスされているような感じがして岩城は幸せな気持ちになった。


『ふふっ。香藤から、そう言われると明日から、なんなくやりとげれそうな気がするよ。俺も愛しているよ香藤。』


岩城もキスを送る。


『うん。岩城さんなら大丈夫。だって俺がいるからね~。
あ、明日はやいよね?そろそろ休まないとね。』


『そうだな。香藤もゆっくりと休むんだぞ。』


『そうするよ。本当に今日はありがとう。おやすみ。』


『あぁ…おやすみ。』


チュッとキスの音が響き通話が終わる。
スマホをベッドサイドに置き、岩城からのチョコレートを冷蔵庫へしまいベッドにもぐりこんだ。
離れていてもどんなことがあっても俺達は大丈夫。
誰にも負けない愛で繋がっているから。




+++++++++++
今年バレンタイン催事場で見かけた、淡いブルーの少しいびつな四角【海外の古い石畳みたいな】チョコを二人に送りたくて食べていただきたくてSSにしました。
セレクトコーナー商品で入荷が少ないのと、色合いが珍しいため2回完売していて、3回目にてやっと購入できました。
ホワイトチョコに食紅ではなくラベンダー色素で色と風味づけされていました。中にはバタークッキーが入っていました。美味しかったです。
なかなか普段みかけないお菓子に出会えるこのイベントが来年も楽しみです。




タイトルの『telpathically』は以心伝心という意味合いでつけてみました。二人は不思議な愛の力でつながっているのです。
  1. 2016/03/10(木) 21:50:16|
  2. 春抱き★St.Valentine′s Day
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春抱き★telpathically…④

『金子さんお待たせ。』


香藤は待たせていた金子の車へと乗り込んだ
鞄を隣へ、膝にランチバッグをのせてベルトをしめる。香藤を確認した金子は車を走らせた。


『あっ、金子さん。俺、新幹線でのお弁当なしでいいからね。』


嬉しそうにランチバッグを軽く持ち上げる。


『岩城さん手作りのお弁当ですか?』


『そっ。作ってくれているなんて考えてもいなかったから本当に嬉しいよ。』


とろけるような顔をする香藤に、金子はこの調子ならロケもスムーズに進むと安心して駅へとむかった。




新幹線の窓からぼんやりと景色を眺めていた香藤に


『香藤さん。コーヒーいります?』


金子が声をかけると


『うん?ちょっと待って。』


ランチバッグのファスナーを開けると水筒がみえた。

『俺はいいや』


『そうですか。じゃぁ、コーヒーを1つ。』


金子はパーサーからコーヒーを受けとりテーブルに置くと、香藤の方のテーブルを出し


『お昼たべましょうか。』

食事をうながした。


『ありゃ…もうそんな時間?』


香藤はランチバッグからテーブルに入っている物を取りだした。水筒、ランチボックス、ピンクで可愛くラッピングされた包み。


『バレンタインプレゼントも入っていたのですね。いーですね。僕なんて0ですよ。』


金子は寂しそうに弁当を口に運んだ。


『あはは。そう落ち込まないでよ。』


香藤はバッグへラッピングされあ包みを戻して、ランチボックスを開けた。


『美味しそうなサンドイッチ。』


水筒を開けコップへ注ぐと、コーヒーのいい香りが鼻をくすぐり、香藤はそのまま口にした。


『岩城さんが淹れてくれたコーヒーだ。』


家で時間があるときに岩城が豆から丁寧に淹れてくれるコーヒーを味わい、サンドイッチをかぶりつく。


『うん。美味し!自信ないようなこと言っていたけど本当に美味しいし!また作ってぇって、あとで岩城さんにメールしよっと。』


昨日の不機嫌はどこへやら笑顔の香藤は、現場についても明るく周りを和ませながらその日の仕事を終えた。
  1. 2016/03/10(木) 21:48:03|
  2. 春抱き★St.Valentine′s Day
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春抱き★telpathically…③

翌朝、昨夜用意していた材料を並べサンドイッチを作り、丁寧に豆をひいてコーヒーを煎れ、ランチバッグにサンドイッチボックスと水筒を入れて鞄のかたわらに置き、岩城はカップにコーヒーをそそぎ時計に目をやる。


『やっぱり…無理だったか…』


金子から帰宅予定をもらっていた時間はすぎていた。ソファーに座りコーヒーを飲みながら香藤の帰りを待つ岩城は爽やかな朝に似合わないため息をついた。
記念日やイベントに岩城を楽しませ幸せにすることを、自分の幸せにしている香藤がどんなに残念がっていることだろうかと思うと自分に何かできないかと考えはじめた。
香藤を抱きしめキスをし笑顔で送り出す、わずかな時間くらいはあるだろう。
疲れた香藤のために、今の自分にできることは、そんな些細なことしかないなと考えているところへ、車が止まる音が聞こえた。
岩城はカップをテーブルに置き、ランチバッグにテーブルに置いていたラッピングした包みを入れて鞄と一緒に持ち玄関へむかった。
勢いよく開いた玄関ドア


『ただいま。岩城さん。』


香藤が手にしていた紙袋を足元に降ろし岩城に抱きついてきた。
少しよろめきながらも香藤を抱き止め、あいた左手で乱れた香藤の髪をなでる。

『おかえり。香藤。大変だったな。』


もっと撫でてと甘えるように岩城の肩口に顔を埋める香藤。


『久しぶりに…しかも、バレンタインに会えるはずだったのに…。このままロケに出発なんて本当に寂しいよ。』


『俺も…寂しい。でも、こうして今、香藤に会えて温もりを感じれて幸せだ。』

ポンポンと香藤の頭を軽く叩くと香藤が岩城を見上げるように顔をあげた。岩城は優しく微笑み香藤の唇にキスをした。
岩城からのキスに香藤は目をまるくした。岩城は鞄を置くと両手で香藤の顔をつつみ


『しばらく会えないのは寂しいが、こうして香藤にふれることができて俺は本当に幸せだ。』


幸せそうに目を細めて言う岩城を香藤はきつく抱きしめ深く口づけた。
あまやかな息づかい…互いの存在を温もりを確認するように手で体を撫で、何度も何度も深い口づけをかわす二人に別れの時間を知らせる音が響く。


『行かなきゃ…。』


名残惜しそうに岩城の額に瞼に唇にキスをして、ゆっくりと香藤が体を離す。すがりついていた岩城はゆっくりと香藤の首から腕をおろした。
鞄とランチバッグをとると香藤にさしだし


『香藤みたいに上手くできなかったが、移動中に食べてくれ。』


『岩城さんの手作り?わぁ嬉しいな!これでロケのりきる元気つくよ。これ俺からバレンタインプレゼント。』


岩城から鞄とランチバッグを受けとると、足元に置いていた紙袋を岩城に渡す


『ありがとう。』


ロケが無事に終わりますようにと願いをこめて、岩城は香藤の頬にキスをした。


『じゃぁ、行ってくるね!』


笑顔で見送る岩城に香藤は投げキッスをし、ドアを開けて金子の車へと走っていった。
笑顔で香藤を送り出し紙袋をかかえリビングへ戻り


『忙しいのによく買い物に行くことができたな。』


まぁ、そんなことをこなせるのも香藤らしいと思いながらソファーに座り紙袋の中身を取り出す。
大きめの包みが3つに白い小さなビニール袋。
包みをひらくと、スウェット、淡いグリーンのパーカー、手触りのよいグレーのロングカーディガンがあらわれた。
そろそろ稽古ようのスウェットを買い直そうと思っていると話してはいたが、なかなか買いにでかけることができずにいたのをみていたんだなと笑った。


『しかし、このグリーンのパーカーは、俺には若すぎないだろうか?』


パーカーを広げると見覚えのあるロゴの刺繍が胸元にあるのに気がついた。香藤が以前プレゼントしてくれたラベンダーのトップスと同じものだった。


『ということは…自分の分も買っているはず。そうなると着ないわけにはいかないな。オフが重なったら二人で春を探しにドライブに着ていくか。』


パーカーをたたみ、白いビニール袋を開けて箱をとりだす。


『これ…。』


箱を見て岩城は目をまるくした。


『ふふっ。まさかこんなことがあるとは驚きだな。明日からいただくか。』


箱を優しくなで、冷蔵庫へと片付けた。
  1. 2016/03/10(木) 21:46:07|
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春抱き★telpathically…②

『香藤さんお疲れ様でした。』


スタジオから出てきた香藤に、ねぎらいの言葉をかけ控え室へ案内する金子。椅子にもたれかかった香藤は

『金子さん。このあと時間あくよね?』


『えぇ、2時間くらいあきますね。何か雑誌や食べるもの買ってきましょうか?』


『時間までに戻ってくるから、ちょっと出掛けてきていい?』


香藤は立ち上がり背伸びをする。


『そうですね。今日はこのあとほとんど休憩もありませんし、時間までに戻られるのでしたら大丈夫ですよ。あ、何かありましたら連絡しますからスマホの電源いれておいてくださいね。』


『了解。行ってくるね。』

香藤はサングラスをかけ、ジャケットを羽織り、財布とスマホを手に控え室をあとにした。
むかった先は、局からほど近いデパート。
商品を購入し終えて、時間を確認するとまだ余裕がある。


『ちょっと覗いてみるか。』


エレベーターに乗りむかった先はバレンタイン催事場。


『うへぇ~。テレビで見ていたけど…これはすごいなぁ。』


すれ違うのもむずかしいくらいの人だかり。人の隙間をぬってチョコレートを見て歩く。誰もがチョコレートに夢中で香藤に気がつかない。
押し出されるようにたたどり着いた人だかりが少ないブースに並べられた、一つのチョコレートに目を奪われた。


『すみません。これ1つください。』


チョコレートを購入し局へ戻った。
控え室に戻ると紙袋を鞄の脇に置いて、残りのスケジュールの台本を確認しているところへ金子が入ってきた。


『香藤さん戻られたのですね。ちょうどよかったです。温かいうちに食べてくださいね。後半は休憩もないですから!』


『そだね。ねぇ~金子さん。岩城さん起きているうちに帰れるよね!?』


金子から弁当を受け取りながら、香藤が紙袋に目をやり嬉しそうに聞くと


『それが…ちょっと…。』


言いにくそうにする金子に香藤が


『もしかして今夜、俺…帰れないの?』


『その…トラブルがありまして…。御自宅にお送りできるのが明日の朝になるかと…………。』


金子が申し訳なさそうに答える。


『マジでぇ~。今夜、帰れなきゃ、家もどっても着替え受け取ってそのまま地方ロケじゃん……。』


机にへたれこむ香藤


『あぁ~香藤さん。岩城さんへは私から事情を説明しておきますから。少しでも岩城さんとのお時間が作れるようにしますから。』


必死にフォローをする金子。


『わかった。金子さんを信じて、これ食べて後半の仕事に集中するから。岩城さんと朝のコーヒー飲む時間くらいちょうだいね。』


香藤は弁当の蓋をとると、食事片手に後半の仕事に改めて目をはしらせ真剣な顔つきに変わっていった。
金子は申し訳なさそうに控え室をあとにすると、岩城へ連絡をいれた。
金子から連絡を受け、岩城はため息をついた。
この業界ではよくあること…とはいえ、何時になってもお互いの顔をみて話したかったし…。なにより渡したかった物がある。


『香藤の着替えをリビングへ降ろしておいたほうがいいな。』


香藤の鞄をリビングのソファーへ置き、ラッピングした包みをその中へいれようとしたが、ためらいテーブルに置いた。
金子がコーヒーくらい飲む時間くらいは作れるようにしますと言っていた…もしかしたら渡せるかもしれない。
キッチンに立ち遅くなっても帰ってくる予定だった香藤の軽食のための材料を冷蔵庫へもどしていた手をとめ


『そうだ。』


キッチン上の扉をあけ目当ての物を探す。ランチバッグ、水筒、サンドイッチボックスを取り出して並べ


『明日、サンドイッチとコーヒーを淹れて、アレを一緒に渡そう。』

料理をするとなれば少し早く起きないとな。と粒やきながら、すぐに支度ができるように、材料を揃えなおし岩城は眠りについた。
  1. 2016/03/10(木) 21:44:05|
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