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新田祐克先生大好き。 BL/腐女子になります。 カテゴリーに分けて掲載をしていきますので、今日のblog(つらつらblog)には、BL/腐女子のつぶやきになります。 他カテゴリーはSSになりますので宜しくお願いします。新田祐克先生の代表作品『春を抱いていた』のSS中心になりますが、たまに他の作品や作者のがあるかもしれません。 ご理解ある方々、宜しくお願い申しあげます。

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Happy Valentine's Day! 5

「はい、すみません。お願いします。」


菱田事務局長に欠勤の連絡を終えスマホをギイに渡す。


「もぅ…。」


「すまん。」


体に負担がかからないように、クッションをしきつめられたソファーに、ぐったりと座っている託生に両手を合わせて謝るギイ。


「ぼく、ちゃんと仕事だからねって言ったよね?」


両腕を組んで言う託生。
昨晩たしかに託生に言われたが、無意識で煽る託生に抑えがきかず、むさぼるように溺れ、気がつけば託生は意識を飛ばしていた。
いつもの時間に目が覚め仕事へむかうと言い起き上がろとした託生は、力がはいらずベッドに沈み。
ギイの手助けで着替え、抱えられるようにソファーに座り、しばらく様子をみたが、一人で立ち上がるのも難しいため、仕事へ行くのを諦め欠勤の電話をした。

「はい。聞きました。本当に…ごめん。あまりにも昨日の託生が情熱的で…抑えがきかなくなりました。」

スマホをテーブルに置き、ギイが素直に謝罪し説明をすると、それを聞いた託生は耳まで真っ赤になった。
隣に座り、いつまでたっても、こういうところは変わらないなぁと恥ずかしがる託生の髪を撫でながら抱きしめた。
しばらくすると


「まぁ…。1日くらい休んでもなんとかなるけど…。佐智さんが心配するかも。」


井上教授宛へのメールや書類の整理をして、急ぎのものや簡単な事項を、マネージャーの大木さんへの定期連絡が託生の業務の1つでもある。
大木から、今日はメール届いておりません。と聞けば何かあったのかと心配するかもしれない。


「佐智に何か言われたら、オレが対処するから。」


「じゃぁ、本当に困ったらお願いするね。ギイ、お腹すいた。」


朝食を催促するように、キューとお腹がなる。


「用意してくるよ。スクランブルエッグと目玉焼きどっちがいい?」


「うーん。スクランブルエッグ。」


「了解。」


何かあったら呼べよ。と言ってキッチンへむかった。
ぼんやりとTVをながめ、テーブルに視線を落とすと、綺麗なアレジメントフラワーの隣に昨日プレゼントした駄菓子が綺麗にカゴに盛り付けてあった。一番上にのっているのは不二家のハートチョコ。


「おまたせ。」


ギイは、トレーをテーブルに置くと、大きめのマグカップに入れたカフェオレを託生に渡した。
コクリと飲むと、ほんのり甘く優しい花の香りが広がる。


「ギイ。お砂糖かえた?」

「わかったか?島岡から、ハチミツ専門店を聞いて買ってきたんだ。託生が好きそうなさっぱりしたのがあってな。このクロワッサンも島岡お薦めのベーカリーのだ。」


「ハチミツ専門店?へぇ~。そんなお店があるんだ。甘いんだけど、さっぱり飲めるね。美味しい。クロワッサン食べたい。」


ギイは、託生の手からマグカップを受けとると、クロワッサンを託生にわたす。あたたかいクロワッサンを食べる。


「これも美味しい!!」


「だろ?NYでの生活が長かったせいか、ベーカリーにはうるさいんだよ。店内で焼きたても食べれるし、今度、一緒に行こうぜ。」

ギイはクロワッサンにベーコン・スクランブルエッグを挟み豪快にかぶりつく。

「うん。旨い。そうだ託生。昨日のチョコと駄菓子のなかに、いままで見たことないのもあるんだが…」


駄菓子が盛り付けてあるカゴを指さす。


「あのね。チョコを探して買いに行ったお店がね、本当にお菓子だけのお店なんだ。10円で買えるお菓子もあるんだよ。」


「はぁ?10円でか??」

あまりの金額にギイが驚く。


「うん。ほら、アメや小さなガムあったでしょ?あれが1つずつ売りだから。」

「へぇ~。それは面白そうだな。」


「きっと、楽しいよ。」


そう答えた託生の脳裏には、ぎいくんと一緒にね。と言ってくれた優しい年配女性の笑顔が浮かんだ。


「じゃぁ、次の休みは買い物デートだな。」


「そうしようね。ギイ、ごちそうさま。美味しかった。」


「それは良かった。」


空になったプレートを重ねトレーを持ちキッチンへ立ち上がる。
片付けをすませてリビングへ戻るとソファーのクッションに埋もれるように託生が眠っていた。
起こさないように抱き上げてベッドへ運び託生を寝かせると、そっと部屋を出た。
洗濯や掃除を終え、ベッドサイドに買い物に行ってくるから何かあったら連絡するようにとメモを添えてスマホを置いて家を出た。
家を出てしばらくするとポケットに入れていたスマホが振動する。
託生からだろうと相手も確認せずに通話ボタンを押すと


「ちょと、義一くん。僕の託生くんを壊さないでよ!!」


挨拶もなしに、耳をつんざくような佐智の罵声が言い返す間もなく次から次へと続く。
ひとしきりギイへの抗議がすむとプツリと通話が切れる。
切れたスマホを見つめ


「僕の託生くんじゃねぇ!オレの託生だっての!!みんな佐智の外見に騙されすぎた。託生も佐智のどこがよくて、あんなやつの下で働いているんだか…。」


ぼやきながら買い物をすませて帰宅すると、託生の眠る部屋へむかった。
穏やかに寝息をたてて眠る託生の横へ滑り込み、少し伸びた前髪をかきあげ額にキスをする。


「まぁ、佐智のおかげで今があるところもあるから、感謝するか。」


諦めかけていた初恋を成就させる決意も、行動を起こせず止まっていた時に背中を押してくれたのも佐智だ。
ライブラリーに並ぶ1枚だけ未開封の佐智のCD。
二人であのCDを開封する時が近い未来にあることを願いながら


「オレも、ひと眠りしよう。」


託生を抱きしめギイも眠りについた。




+++++++++++++++++++++++

初めてのタクミくんシリーズの2次創作にお付き合いありがとうございました。

タクミくんシリーズ完全版の最終巻までを読み終えて、また1巻から読み直してタクミくんシリーズの世界にどーっぷりはまっていまして…。
バレンタインまでに書き上げれたらいいなぁと思って書きはじめたのですが、あれこれ直していたら無理でした。
直したつもりだけど、変なところたくさんありそうです。
タクミくんシリーズの世界観を壊さないように…頑張ったつもりですが、たくさんの創作者に比べると悲しいくらい情けない文章力。本当に、ごめんなさい。


今日は託生くんのお誕生日。
この記念日に、初めてのタクミくんシリーズのSSを、託生くんのお誕生日に掲載できて大変嬉しいです。
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  1. 2017/02/18(土) 19:43:28|
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Happy Valentine's Day! 4

ローテーブルに、晩酌とつまみを並べ、花屋で買ったアレジメントフラワーを中央に飾ると、ソファーに座り託生が戻ってくるのを待った。
リビングのドアが開き託生が両腕を背に回したままソファーに歩いてくる。


「託生?」


ギイが不思議そうに託生を見ていると、後ろ手にしたままソファーに器用に座った託生は微笑んで


「Happy Valentine's Day!」


託生は隠していたリボンで結ばれたブルーの袋をギイへ差し出した。


「ありがとう。」


差し出された大きな袋を驚きつつも受けとる。


「ずいぶんたくさん入ってるな。開けるぞ。」


「どうぞ。」


リボンと飾り造花を外し袋を開くと真っ先に目についたのは、真っ赤なビニール袋に入った不二家のハートチョコ。


「愛がこもってるなぁ。」

ハートチョコを取り出して、Thank Youと託生の頬にキスをする。


「去年、忘れた分も入っているのか?」


「うーん。それもあるけどね。」


託生はテーブルのグラスや皿を端へずらし、中を見てよと場所をつくる。
ギイはチョコをテーブルに置き、袋の中を取り出していく、キャベツ太郎、チーズあられ、都こんぶ、クッピーラムネ、ココアシガレット、ヨーグル、梅ジャム、ボンタンアメ、ビッグカツ、チョコバット…他にも可愛らしいお菓子が次から次へと出てくる。
並んだ駄菓子を見て


「愛の告白だな。」


ぎゅっと託生を抱きしめる。


「覚えてるんだ。」


「覚えてるさ。託生と付き合うことができて、嬉しくて嬉しくて、オレのわがままばかり押しつけていて、託生のことを思いやることを忘れていたよな。あの頃…」


「ぼくも、自分の気持ちを伝えることが…どんなに大切か学んだよ。あの頃も、いまもギイが好きだよ。」

「オレなんて愛しちゃってるんだぜ。さっそく、託生の愛を食べようかな。」


真っ赤なビニール袋に入った不二家のハートチョコを1つとり袋をあける。
かじりつき、うん旨い。ほら託生もと差しだされた。
普段はあまり好きではない甘い物。だけど、今日は特別。ちょとだけ…そうだ。託生のイタズラ心が動いた。
チョコを持っているギイの指を、わざとくわえるように唇で舌で触れてからチョコをかじる。
目をまるくするギイを横目に


「ギイの愛。美味しかった。」


微笑みながら舌で唇を舐める。
託生の行動に、ギイは残っていたチョコを口にほおりこみ


「託生…。今日は覚悟しろよ。」


託生をあっさりと抱き上げて部屋へむかう。


「えっ?!ちょっと、待ってよ。ギイ!!お風呂まだ!」


やりすぎた。クレームをいれても時すでに遅し、ギイは長い足でスタスタと歩き、託生を抱いたまま器用にドアノブを開けると


「あとで入れてやるから。」


託生をベッドへおろし、クレームをいれた唇をふさぐ。荒々しいキスに息苦しくなり託生がギイの背中をたたくと、唇を解放したギイは託生の耳元で


「めったにない託生くんからの情熱的な愛の告白に、ギイくんは、これ以上我慢できません。」


ギイの熱い体を押しつけられた。こうなったら、もう何を言っても逃してもらえない、逃れれないことを知っている託生はあっさりと降参した。


「わかりました。ただ、明日も仕事なので、そのあたり…」


「わかってる。」


甘く長い指が柔らかに託生の肌をなぞり、ゆっくりと愛の海へといなざっていった。
  1. 2017/02/18(土) 19:40:41|
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Happy Valentine's Day! 3

バレンタインの朝、ギイの姿はない。


「夜かな?」


いつものように仕事へ出かけ、少しだけ早く帰宅した。


「おかえり。託生。」


「ただいま。ギイこそ、おかえり。」


迎えに出てきてくれたギイに抱きしめられる。
ほんのすこし離れていただけなのに懐かしく思う甘い花の香。安心できる場所。ほっとする。


「夕飯作っておいたから、早く片付けてこいよ。」


「うん。ありがとう。」


階段をあがり鞄やコートを片付け、クローゼットから袋を取り出す。


「いま持ってくと、夕飯前に見たがるよね。」


すぐに取りにこれるように、部屋のドアの側に置いてキッチンにむかう。
立春をすぎたとはいえ、夜の冷え込みが続くため寒がりの託生には、嬉しい鍋が中央にのっている。


「うわっ。鍋だ!!嬉しいなぁ~。」


「ふふっ。今年の豆乳鍋は去年より更に旨いぞ。あれから研究したからな。今日は、茶碗蒸しもあるぞ。」

「茶碗蒸し?!食べたい!!」


託生が嬉しそうに言うと、ギイはキッチンにむかい茶碗蒸しを食卓に並べる。


「いただきます。」


久しぶりに二人でとる食事。熱々の茶碗蒸しの蓋をとり一口。滑らかでまろやかな味。美味しさに匙を片手に感動していると


「どうだ?」


少しだけ心配そうにギイが聞いてくる。


「すごく美味しい!!すごい!!いつのまに、覚えたの?まるで赤池くんが作ったみたい。」


思わず…まさか赤池くんが隠れていないよね?とキョロキョロしてしまう託生に

「章三はいないぞ。まぁ…レシピはもらったがな。」

ギイも茶碗蒸しを口にして、うん。我ながらよくできたと満足そうに頷いていた。


「すごいなぁ~。僕はレシピみてもなかなか赤池くんの味に近づけないのに。」

「章三の料理も旨いが、オレは託生の料理のほうが旨いと思うぞ。」


華麗にウィンクして答えるギイに赤面してしまう託生。


「あ、ありがとう。ぼくもギイの料理好きだよ。」


「ありがとう。冷めないうちに食べようぜ。」


ギイが鍋の蓋をとり、託生の分をとりわける。
熱々の具剤をハフハフと口に運ぶ


「あぁ~。美味しい~!!本当に去年より美味しい~!あったまるー。」


幸せそうに食べる託生を嬉しそうにギイは見つめていた。


「あぁ~美味しかったぁ。」


しめのうどんまで美味しく堪能し、食後のお茶を口にする。


「託生にしては、よく食べたなぁ。」


キッチンの片付けをすませて託生のポッコリ膨らんだお腹を大丈夫か?となでる。


「本当に美味しかったんだよ。」


「託生に、そう言ってもらえると腕のふるいがいがあるよ。」


温かい食事で、あたたまった託生を後ろから抱きしめ

「託生。」


託生の前に手のひらをヒラヒラさせる。
その仕草に、去年の寝起きの催促を思いだし託生は笑ってしまう。


「うん。今年は、バッチリだから、ちょっとまっててね。」


ギイの頬にチュとキスをして、ギイの腕をすり抜け部屋を出ていった。


「おぉ?恥ずかしがりやの託生からのキスとは。今年は、いいバレンタインだなぁ。」


託生にキスをされた頬を撫でながら晩酌を選び、リビングのローテーブルに並べた。
  1. 2017/02/18(土) 19:39:03|
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Happy Valentine's Day! 2

いつものように仕事の準備をしていると


「オレ、しばらく留守にするから。バレンタインには帰る。」


そう言って、託生の唇に、行ってきますのキスをし、いつものように身軽な姿でギイは一足先に出かけていった。
仕事をリタイアしたと言いながらも、頼まれればフラッと出かけて行ってしまう。


「あいかわらず面倒見がいいんだから。バレンタインには帰るか。今年は忘れないようにってことだよね。」


今年は準備万端だもんねっと心で笑いながら鞄を手に鍵を閉めて大学へむかう。
日課の井上教授あての郵便物やメールのチェック。仕事の依頼やファンレターの中に、いくつか甘い香りがする包みが…。
大学へ来てから女子生徒から預かったぶんも含めると、かなりの量になった。


「うーん。事務所だけでなく大学へまで送ってくるかぁ。熱心なファンもいるんだなぁ。この量だと事務所へ転送した方がいいよね。」


1つずつ箱へ順に積めて梱包すると、マネージャーの大木さんへ転送の連絡のメールを送り手続きをすませた。
バタバタと日常業務をこなしていると、あっというまに昼を過ぎていた。

遅めのランチをとっていると、少し離れた席の女子生徒の会話が耳に入る


「チョコは用意したけどさぁ~。ラッピングしようと思うの。ねぇ、帰りに付き合ってよ。」


「えっ、あのブランドのチョコなら、そままでも可愛いし。無くてもいいんじゃない?」


「最初は、そう思っていたんだけどね~。もう、手提げからして、どこのかバレバレでしょう?」


「あっ、莉那の彼氏、スィーツ男子だもんね。わかった付き合うよ。」


「ありがとう~。」


そんな会話を聞いて託生は背中に冷たい汗が流れた。
ヤバイ。僕…お店で入れてもらった白いビニール袋。あの袋のまま渡そうとしていた。
ラッピングなんて、気にはしないだろうけど、袋くらい変えたほうがいいかな?
でも、あの細々とした物、しかも、かなりの量が入る袋なんてあるのかなぁ。
トレーを返し残りの仕事を済ませて大学をでた。




帰りに買い物をして、昼の女子生徒の会話を思いだし100円ショップへ足をのばした。
バレンタイン用の可愛らしい箱や袋を並ぶ棚を横目に、ラッピングコーナーを眺め大きめな色つきの袋を見つけた。


「これなら全部はいるかな?リボンもついてるし。これにしよう。」


帰宅して夕飯をすませると、自室のクローゼットから取り出した駄菓子、チョコを買ってきた袋へ詰めなおし、パンパンに膨らんだ袋にリボンと付属の造花を飾りクローゼットへもどした。


「今度こそ完璧。あとはギイが帰ってきたら渡すだけ。」


喜んでくれるよね。驚くかな?懐かしい!?と思うかな…?
まだ、ギイと付き合いはじめて初めてのバレンタイン・ホワイトデーというイベント、一緒に休日を過ごしたいという思いがありつつも、どうしても自分が真剣に取り組まないといけないから、それが落ち着くまではと、素直に言えなかったためギイと気持ちがすれ違いギクシャクしたあのとき。。。
赤池くんに教えてもらった、ギイのブームの駄菓子たちに手助けをしてもらい自分の気持ちを素直に伝えた。一緒に過ごしたい。
でも、いまはどうしても取り組まないといけないことがあるんだ。
ギイにポツリポツリ話して、最後はギイは、ぼくの気持ちをわかってくれて抱きしめてくれた。
あの日に、言わないと伝わらないと、言わないと失ってしまうかもしれないんだと学んだ。


「ふふ。朝、帰ってくるのかな?夜かな?」


ギイが帰ってくるが楽しみだ。ギイの笑顔を見られるのが楽しみだなと思いつつ眠りについた。
  1. 2017/02/18(土) 19:37:22|
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Happy Valentine's Day! 1

夕食の買い出しに立ちよったスーパーの入り口で、ピンクやハートで飾られているコーナーが目についた。


「あぁ…バレンタインかぁ。今年もいるのかな?」


去年、起きぬけに催促され用意してなかった事に、朝から大騒ぎされ、帰りに何軒かまわって見つけて買った不二家のハートチョコ。
夕飯の時に渡した時の喜びようは、もの凄かった。


「また、大騒ぎする前に買っておこうかな?」


足をとめて並んでいる商品を眺めるが、あのハートチョコがない。。。
同じメーカーのハートチョコの大袋入りはあるが、お目当ての真っ赤なビニール袋に入ったハートチョコは何度みても並んでいない。
後ろから女性のクスクスと笑う声に我にかえり慌ててバレンタインコーナーを足早に離れた。


「そうだよね。うん。男が、じっくり選んでいたら笑われるよね。」


ふぅと、ため息をついて食材をカゴへいれレジへむかい会計をすませて家へむかおうと足をむけ立ち止まる。


「あそこなら、あるはず。」


忘れてしまわないうちに買っておこうと去年購入した店へと方向を変えた。
久しぶりに足を運んだ商店街の入り口にある店。
チョコレートの棚を探すが大袋入りはあるが、やはり無い。
去年は確かここで購入した。
もう少しあとに入荷するのかもしれないと、大袋のハートチョコを手に取り、レジの店員に


「あの、すみません。このチョコレートの1枚売りのは、いつ頃はいりますか?」


勇気をだして聞いてみると、店員は、託生が手にしている袋を見て


「申し訳ありません。こちらの商品は大袋のみの取り扱いになります。」


「そうですか。」


託生は手にしている袋をみて、メーカーもハートチョコも変わりない。大きさと包装が違うだけ…。これでもいいような…。
いや、あのパッケージじゃないと何かが違う。
取り扱いをしないということは、商品としてはあるんだよね。ネットで買えるかな?
あぁ~。ダメだ。
僕がいないときにギイが受け取ったりしたら…。
袋を手にしたままあれこれ考えていると


「あの~、お客さま。」


「あっ、はい。すみません。」


店員の声に慌てて答える


「この3軒先に、お菓子屋さんがありますので、お探しのがあるかもしれません。」


「お菓子屋さん?」


「はい。こういった大袋から懐かしいのまでありますよ。」


託生の手にしている商品を受け取り、お店がもう少しで閉店しますから、こちらは後で戻しておきますから、優しく微笑み店員が教えてくれた。


「ありがとうございます。行ってみます。あの…買わずにごめんなさい。」


頭を下げ店をでて、教えられたように商店街の奥へと歩いた。
3軒先…。
左右をみながら歩くと店先にお菓子の棚が並んでいるのが目にはいった。


「ここかな?」


店に入ってみると入り口の角のレジ台には、シャボン玉、おもちゃ、アイドルのカードがぶらさがっている。


「いらっしゃい。」


レジから年配の女性が声をかけてきた。


「すみません。遅くに…」

「どうぞ、ゆっくり。」


頭をさげあらためて店内を見渡す。
壁沿いに棚がいくつも並び、ひしめきあうように商品がならんでいる。


「あっ、懐かしい。」


棚からココアシガレットを手に取る、蓋が空いているボトルをみると、アメが1つずつ買えるようになっている。
ガムに小袋のお菓子、たくさんの駄菓子がならんでいる。
久しぶりに目にする駄菓子にワクワクしてしまい、次々と手にし見いってしまう。


「よかったら、カゴどうぞ。」


可愛らしい小さなカゴを店員が差しだした。


「ありがとうございます。」


託生はカゴを受け取り、手にしていた駄菓子を入れ、あぁ!チョコ!!
店内を歩くと板チョコの隣に真っ赤なビニールに入った不二家のハートチョコレートを見つけた。


「あった。」


1枚カゴへいれ、すこし考え…。今年は、ちょっと豪華にしよう。ハートチョコを数枚追加し、店内の駄菓子をいくつかカゴへ入れた。


「お願いします。」


レジに置くと店員は手際よく値札もついていないアメやガムもポンポンとレジ打ちしていく。
手慣れたその仕草をながめながら


「最近では見かけないお菓子がいっぱいですね。」


「スーパーやコンビニには、置いてない商品が多いですからね。みなさんビックリされますよ。」


「ギイを連れてきたら喜ぶだろうなぁ~。」


自然にでた言葉に


「今度、一緒に来てください。はい、たくさん買ってくれたから、これはオマケ。」


そう言うと託生の手にお釣りと一緒に、茶色のキャンディ包みのチョコレートをのせてくれた。


「えぇ!!ダメですよ。この分も払います。えっと、これいくらでしたか?」


手のひらにのせられたチョコレートをレジ台に置いて、小銭を確認する。


「いいの。いいの。これは。また楽しく買い物しにきてくれればいいから。その、ぎいくんと一緒にね。」


そう言うと託生の手をとり、チョコレートをのせた。ニッコリと微笑まれ、託生はそれ以上ことわることができず。


「ありがとうございます。また来ます。」


礼をいい店を後にした。
帰宅して、ギイがまだいないのにほっとし、食材をキッチンに置くと2階の自室のクローゼットにお菓子を隠した。
夕飯の支度をしていると玄関が開く音がした。


「ただいま。託生。」


キッチンに立つ託生の頬にキスをする。


「おかえり、ギイ。もう少しでできるからね。」


振り返りギイに言うと


「りょーかい。」


もう一度、頬にキスをして自室へむかった。
その後ろ姿をみて、あとはバレないように気をつけなきゃと気合いを入れ、夕飯作りの続きをはじめた。


いつも通り互いに今日のことを話ながら夕飯を食べ、お風呂に入り、明日は休みだろ?と手をひかれ、ギイの腕のなかで眠った。
  1. 2017/02/18(土) 19:35:25|
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