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新田祐克先生大好き。 BL/腐女子になります。 カテゴリーに分けて掲載をしていきますので、今日のblog(つらつらblog)には、BL/腐女子のつぶやきになります。 他カテゴリーはSSになりますので宜しくお願いします。新田祐克先生の代表作品『春を抱いていた』のSS中心になりますが、たまに他の作品や作者のがあるかもしれません。 ご理解ある方々、宜しくお願い申しあげます。

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春抱き★秋月

岩城さんが熱をだした。

医師から風邪と診断され、熱が高いため点滴したあと、ゆっくり休むように念をおして自宅に送りとどけたが、無理をして書類仕事をしかねないと心配そうな声で清水さんから俺に電話がはいった。


俺は仕事が終わると買い出しをすませて慌てて帰宅し、買い物袋を置くと寝室のドアを開けて覗いた。いつもより青白い岩城さんが眠っていた。


『良かった…ちゃんと休んでいてくれていたんだ。』


安堵のため息をつき、ドアを閉めて夕食を作りにキッチンへ戻り寝室へ運んだ。


『岩城さん大丈夫?夕飯つくったから少しでも食べて薬のまなきゃね。』


眠っている岩城さんを優しく起こす。


『…んっ…。か…とぅ…。』


熱のため目元に赤みをさし潤んだ瞳で俺を見つめ、かすれた声が誘っているようにもみえる岩城さんに、俺は思わずあわてふためいて、顔をそむけ気づかれないように深呼吸してから


『清水さんから連絡もらって驚いたけど、ちゃんと眠っていてくれて良かった。少しはラクになった?』


起き上がろうとする岩城さんの背中をささえ、コップの水を渡す。喉を潤した岩城さんは


『あぁ…。少し熱さがった気がするよ。』



ありがとうとコップを俺に渡しながら微笑んだ。


『そう、良かった。あとで熱はかろうか?お粥作ったから食べて。』


俺が土鍋から器にとり冷ましてレンゲで岩城さんの口元へ運ぶと、真っ赤な可愛らしい口が開き、ゆっくりと半分くらい食べてくれた。


『せっかくの香藤の料理なのに、味が…わからないのは残念だな…。』


薬を飲みながら肩を落とし言う岩城さんに俺は


『治ったら、岩城さんの食べたいのなんでも作るよ。おっと、体温計そろそれいいかな?』


体温計を取り出し確認する。


『37.3℃かぁ…。ビミョ~。念のため今日はお風呂はやめといたほうがいいなぁ。』


『ダメか?汗をたくさんかいたから気持ち悪いんだが…。』


岩城さんは、肌にはりついて気持ち悪いとパジャマをつまむ。


『今日、熱をだしたから念のためね。体ふく用意をしてくるよ。』


部屋の温度を高くして蒸しタオルで体をふき、新しいパジャマを着せる。


『ありがとう。さっぱりしたよ。』


『良かった。もう少し起きていられる?そろそろ梨が冷えたと思うから持ってくるよ。』


頷く岩城さんの額にキスをし、片付け物を手に寝室を後にした。ざっと汗をながしパジャマに着替えて、冷蔵庫から梨を取りだし寝室へ戻った。


『お待たせ。』


サイドテーブルに梨の器を置き、岩城さんを後ろから抱きかかえる。


『おい、うつるぞ。』


声をあらげる岩城さんに俺は


『大丈夫だって…はい。あーん。』


フォークにさした梨を岩城さんの口元へ運ぶ。諦め顔の岩城さんが梨を口にし、シャリシャリと心地よい音をたて、ゴクリと飲み込んだ。


『美味い。ずいぶん、みずみずしい梨だな。』


『美味しい?良かった!はい、もう1切れ。』


差し出されるまま岩城さんは梨を口にした。


『香藤も食べないと…』


食べ終えた岩城さんは、俺の手からフォークをとりあげ梨を食べさせてくれた。


『ほんっと!!美味しい♪さすが!!秋月さん。』


ヤニが下がった、だらしない顔をして言う俺を岩城さんはポカンと見つめ


『あきづき…?おまえ何を言っているんだ?まさか…熱があるんじゃないか?』


慌てて俺の額に手のひらをあてた。俺は岩城さんの手をとり


『熱なんてないよ。この梨の品種が秋月っていうんだよ。』


俺の説明を聞いて岩城さんは、ホッとした顔をした。


『そうか、品種か…。しかし、どうして味の評価が「さすが!!秋月さん」なんだ?』


聞いてくる岩城さんに


『ん?岩城さんは、どの役を演じても、生き生きとしているけど、秋月さんを演じた時…間近でみていたせいかな?どの役者より輝きをはなっていてさ。いまでもあの輝きを鮮明に覚えているよ。』


岩城さんが秋月を演じていた姿を思い出しながら香藤が言うと


『俺も、おまえの草加の輝きは眩しかったな。』


お互いに思い入れがある作品を振り返り話ながら、みずみずしい秋月梨を食べて、綺麗な声…輝きをはなてるようにと願いながら俺は岩城さんの口に運んだ。
食べ終える頃に、薬が効いてきたのか、俺に体を預けていた岩城さんの瞼が眠そうにトロリとまばたきをしはじめた。
後ろから抱えたまま横になり、岩城さんを寝かせて器を片付けるために布団から出て行こうとした時、パジャマの袖口をつかまれた。


『どうしたの?』


俺は優しく微笑んで岩城さんの頬を撫でた。


『同じ部屋で寝るのだから、どうせ………うつるんだから、、、』


つかんだ袖口を離さない岩城さんが、もぞもぞと布団に潜り顔を隠しながら、ここで寝ればいいと小さな声で続けた。
離れたくないという気持ちがこもった言葉が嬉しくて俺は布団に入りなおし、岩城さんを抱きかかえた。
幸せな気持ちを伝えるため、岩城さんの頭を優しく撫で下ろしていると穏やかな寝息が聞こえてきた。
俺の腕の中の岩城さんは、まるで子供のような寝顔。


『可愛い♪輝きをはなつ岩城さんもいいけど、俺だけの岩城さんは本当に最高★』


早く良くなりますようにと願いながら岩城さんの額にキスをし、俺も眠りについた。




+++++++++++
秋口に秋月梨をみつけて、そちらを題材に書きはじめて放置していたSSを書き上げました。
こんなに甘えっ子の岩城さんにするつもりはなかったのですが、これを書いている時に、春抱き3巻の岩城さんの何かと香藤くんに甘えすがる瞳に萌えていまして、予想以上に甘えっ子になってしまいました。ごめんなさい。


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  1. 2016/01/27(水) 21:52:27|
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